第523回
パインは台湾、西瓜とトマトは新疆

中国の農村地帯を一巡した結果、
永田さんと私が得た結論は、
どこで農業をやればいいかということではなくて、
どんな作物をどこでつくるのが
一番リクツに合っているかということでした。

たとえば、フルーツは甘いから糖尿病患者に悪いというのが
いまの医学の常識ですが、
フルーツの甘さと澱粉から来る甘さの
血糖値にあたえる影響は同じではありません。
パイナップルを食べても、
1時間後、血糖値は大して上がらないばかりではなく、
2時間後には逆に下がっているというデータが出ています。
そのことが少しずつ知れるにつれて、
永田さんの栽培するパイナップル
(製法については永田さんの国際特許があります)が
消費者から歓迎されるようになり、
いまでは航空便で台湾から日本まで運んでいます。
昨今に比べてことしの需要は倍増していますが、
品不足で手に入らないそうです。

永田農法でつくると、パインでも形は悪いが、
糖度は倍のものができてきます。
台湾と海南島でつくるのが一番いいものができますから、
将来、ふやすとすれば、台湾の耕地面積をふやすか、
海南島に拡げるかということになります。

また中国の新疆省はゴビ砂漠のあるところですが、
雨量が少なくて昼と夜の温度差の激しい気候は
完熟トマトの栽培に適しています。
また西瓜もよくできます。
トマトをナマで中国から日本に輸入することは
日本側が禁じていますが、
ジュースにするという方法があるし、
また西瓜もパインと同じように
甘くても血糖値が上がりませんので、
マイナス198度で乾燥すると、西瓜糖ができます。
知的労働に糖分は不可欠と言われていますが、
糖尿病予備軍を大量に控えた日本では
砂糖に代わる糖分供給源として
健康食品の王座を占めるようになることも考えられます。
どこまで実現できるかはわかりませんが、
あれこれ考えると夢は拡がるばかりです。
やれることはまだいくらでもあるんです。


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2001年8月15日(水)

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