第540回
レストラン業界でも一勝負できます

海外進出ができるのはメーカー業だけとは限りません。
デフレになって、
コストを下げないと物が売れなくなったので、
日本国中のメーカーが
どこの国にどんな形で進出したらいいか
真剣になって考えるようになりましたが、
メーカーよりずっと早くから
外国に店を出すようになったのは、日本料理屋さんです。

日本の有名な料亭が
ニューヨークや香港に支店を出していますが、
有名料亭よりも個人で店を出したり、
板前の経験のある人が新天地を求めて
ロンドンやローマに進出しているケースの方が
ずっと多いでしょう。
最初の頃は、現地に駐在する日本人とか、
商用や観光で来る日本人の旅行者をあてにしていましたが、
日本の経済力が世界的に認められるようになると、
日本食ブームがはじまり、
スシや天ぷらや鉄板焼を食べる現地の人もふえています。

そういう人たちを相手の日本料理が世界中にふえましたが、
日本料理屋が現地の料理屋をしのぐ勢いで
大繁盛している話はきいたことがありません。
いくらカリフォルニア巻きが有名になっても、
平均的アメリカ人が最も頻度多く食べるのは
ふだん食べているビフテキやサラダだからです。

一頃、アメリカで大ハヤリになったベニハナにしても、
どうしてアメリカでチェーン店を展開できたかというと、
日本料理でなくて
日本風にアレンジしたアメリカ料理だったからです。
ですから、アメリカに行ったらアメリカ料理を、
中国に行ったら中国料理を商売にするのが
成功する確率が高いということになります。
但し、その土地の人がやっているのと
同じことをやったのでは
土地の人に勝てるわけがありません。
日本のデパートやスーパーやコンビニが
中国に進出しても成り立っているのは、
中国人と違うことをやっているからです。
レストランについても同じことが言えます。
こちらの嗜好を押しつけるのではなくて、
向うの嗜好に合わせて勝負をやるのが正しいのです。


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2001年9月1日(土)

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