第544回
先手必勝のチャンスがあります

いっそのこと、カステラ屋さんをとびこえて、
ケーキ屋さんを念頭において
中国進出を考えた方がいいかも知れません。
さもなければ
カステラの生産設備なんか簡単なものですから、
志のある人がカステラ屋さんの工場に弟子入りをして
技術を修得して、
中国進出をする方が手っ取り早いかも知れません。
この場合も、日本から新しい技術を持って来たことを
看板にした方が人気を呼ぶことは確実です。

しかし、日本でも洋菓子が和菓子を圧倒して、
和菓子にとって代わったのですから、
いっそカステラをとびこえて、
最初からいいケーキといいパンをつくることに専念するのが
正統派の考え方かも知れません。
洋菓子というくらいですから、
ケーキはヨーロッパから日本にもたらされたものですが、
日本人には改良の才がありますから、
日本人の手にかかると
本場にもないようなすぐれた物ができてきます。
テレビや自動車がそうなったように、
ケーキやパンでも日本人の手にかかると、
サンジェルマンがパリに進出したようなレベルに
達してしまうのですね。

いまから30年前、
私が台北市のド真ん中にビルを建てた時、
台湾のパンとケーキのまずさに辟易して、
人にすすめて
パンとケーキの店をひらいてもらったことがあります。
技術を覚えてもらうために、
私が日本の有名な店を紹介して
わざわざ台湾に指導に来てもらいましたが、
いまでは台北に何軒も店を持ち、
デパートにも売店を持つようになっています。
しかし、あとを追って
それを追い越す同業者もできてきましたから、
あとは経営者の能力の問題ですね。

30年前の台湾で起ったことが
いま改めて中国でも起ろうとしているのです。
社会的な需要の変化がはじまると
うまくそれにあわせることができれば、
新しい商売が成り立つようになるし、
小さな商売でも大きくなるのです。
その点、日本人、続いて台湾人と韓国人が
アジアで一歩前を歩いているので、
創業者として有利な立場におかれていますが、
むろん、現地で現地人が仕事を覚えるようになれば、
いつまでも先進国の天下ということはございません。
ただいまの時点ではタッチの差で
先手必勝のチャンスはあるのです。


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2001年9月5日(水)

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