第564回
アメリカは株価対策に追われます

テロがきっかけになって、
ニューヨークの株価が連日安値をつけています。
下げのきつさから言ったら、
ナスダックの方がもっと深刻でしょう。
「どこまで下がるのでしょうか」とよくきかれますが、
もちろん、私にも見当がつきません。
ただダウの予想はゲームみたいなものですから、
こういう時はあまり大きなお金は賭けないことです。

私はアメリカの株価が最高値を更新している時に
戯れに「ダウ七千くらいはどうでしょう」と
答えたことがあります。
年金やファンドなどの機関投資家は
キャピタル・ゲインを得ることを目的としていますから
上がることを前提として予算を組んでいます。
ちょっと値下がりしても青くなるのに、
六掛けくらいになったら、
破産するファンドも続出します。

そういう大暴落が現実に手の届くところまで来て見ると、
外国から流れ込んでいたお金は逃げ腰になるし、
株の値下がりで痛手を蒙った個人投資家は
財布の紐を締めてかかります。
すると消費が急激に減少しますから、
それが更に企業の業績を圧迫します。
不景気が不景気を呼んで、
日本でこの十年に続いた空前の不況が
アメリカでも起ることが考えられます。

不況にどう耐えるかという経験では日本の方が大先輩で
「日本で起ったことはアメリカでも起る」
と私が言ったのはこのことです。

恐らくアメリカでも金利を下げたあとに
また金利をさげなければならなくなり、
そのうちに日本のような限りなくゼロ金利に近い金利政策が
とられるようになるでしょう。
日本政府は内需を拡大する努力が足りないと
批判していたアメリカが
内需の縮小に悩むようになることは
先ず間違いありません。

それを補うために日本では
公共投資に対する支出をふやしましたが、
一向に効果の上がらないまま今日に至っています。
それに対してアメリカには
戦費を使うという道がひらかれています。
戦費が民間消費をカバーしてあまりあるかどうかは
今後の展開を見るよりありません。


←前回記事へ

2001年9月25日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ