第570回
お金が真っ先に逃げ出します

日本人も台湾人も大陸の中国人に比べて
うんとお金持ちです。
平均給与で日本人は恐らく30倍、
台湾人なら20倍はあるでしょう。
北京や上海は地方と倍以上も格差がありますから、
倍率はかなり縮まりますが、
それでも天と地ほどの差があります。

しかし、その差に驚いてはいけません。
かつてアメリカと日本の所得水準にも
これくらいの違いはありました。
でも日本の工業が発達したら、
この差はすぐに縮まっただけでなく、
日本の所得水準が
アメリカのそれを追い越すことすら起ったのです。
中国の工業化が進めば、
同じことが日本や台湾との間にも起ります。
もちろん、明日にもということではありませんし、
また広大な地域のことですから、
全国レベルで起るわけではありません。
でも上海とか広州とか深とか言った
沿海工業地帯では、
そのスピードはかなり早いと思っていいでしょう。

では何がその推進力になるかというと、それはお金です。
お金はどこにお金の儲かるチャンスがあるか、
人間より早くわかります。
もしかしたら、
匂いを嗅ぎつける能力があるのかも知れません。
人間はいろいろとしがらみがあるし、
国とか家族とかの係累もあるし、
すぐには動けないので、愚図愚図しますが、
お金はどんな形にも化ける力があるので、
政府が法律で禁じたり、世論に訴えたりしても、
住みにくいところから住みやすいところへ、
また明日のないところから明日のあるところへ
さっさと逃げ出してしまうのです。

お金が逃げ出すと、その姿を見失わないために、
人間があわててそのあとを追っかけて行きます。
一時期、お金はお金の儲かるチャンスを求めて
アメリカへ、アメリカへ、と靡いていました。
でもデフレの時代に入ると、
お金はコストの安い基地を求めて中国へ動きはじめます。
お金が先に動いて、人間がそのあとについて行くのです。
誰がお金について行くかによって、
お金と縁のある人が決まります。


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2001年10月1日(月)

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