第571回
海外旅行も仕事も予定通りに

テロに対するアメリカの報復戦争は
必至という事態になってしまいました。
こういう時に海外に出るのは危険だからと
キャンセルする人が多いと新聞は報じています。
そのために、航空会社もホテルも観光事業も
大きな影響を受けています。
テロのために被害を受けた航空会社の株が下がったり、
アメリカ政府が
救済資金を提供しているのは理解できますが、
テロを怖れる人々の反応があたえる影響は
もっとずっと深刻なものですね。

ちょうどアメリカの好況が
天井を打った直後だったということもあるでしょう。
もともと押せば崩れそうになっていたところに、
飛行機をぶっつけたようなものですから、
株式市場の崩壊に勢いがついてしまいました。
ニューヨークの証券市場からお金が逃げ出そうとするのと、
テロに再びあうかも知れないことをおそれる気持と、
財布の紐を締めてかかろうとする心理が
同時に、しかも一せいに働きはじめました。

こうなると、反射神経だけで行動するようなものですから、
そんなに悪い情況におかれていなくとも、
実態以上に悪化することは避けられそうもありません。
アメリカの景気も予想をこえて落ち込むし、
ドルを売る動きも出てきます。
3年前に「マネーゲーム敗れたり」を書いた時、
私は人に本を贈る扉に
「みんなで大損をして再出発」と書きましたが、
いままさにその戸口に立ったような感じです。

もしここで財布の紐を締めてかかったり、
また海外旅行に行く予定もキャンセルして
家にとじこもったりしたら、
それこそテロの思う壺でしょう。
絶対安全とは私も断言できませんが、
航空機の事故はきわめて確率の低いものだし、
死ぬ時は畳の上にいても死ぬし、
タクシーに乗っていても道を歩いていても死ぬものです。
私はテロにあうことを怖れるよりも、
台風が近づいて飛行機が予定の日にとばないことを
心配しています。
人生とは限られた時間を生きることですから、
予定通りに動いて、予定通りに仕事をしたいものです。


←前回記事へ

2001年10月2日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ