第577回 
不安定を怖れなければ道はひらけます

世の中が不安定になればなるほど、
大抵の人は安定を求めようとします。
就職をするなら、倒産や月給遅配の心配のないところへ、
というのはその好例です。
でも安定を求めて逃げ込んだところが
絶対安心という保証はありません。
いま倒産している銀行やデパートやスーパーだって、
少し前までは人も羨む就職先だと思われていたのです。

安定を求めるより、
安定した就職先なんかないというものだと考えた方が
実際的です。
安定していないのが当たり前と思えば、
職を失っても、また自分から職を捨てても
生きて行ける方法を考えるようになります。
どんな苦境におちいっても、
それを乗りこえて行けるだけの覚悟ができておれば、
失業する前に次の仕事に乗りかえる準備ができているし、
独立して仕事をして行けるだけの実力もついてますから、
結果としてメシの食いっぱぐれにはならないのです。

私はサラリーマンとしての経験は一年しかありませんが、
お金もなく、学歴も役に立たず、
言葉も通じない香港に一人おっぽり出されて、
それでも餓死しないですんだのですから、
どんな苦境におちいっても、
メシは食えるものだという自信を身につけました。
ちょうど顔を水につけまいとするとうまく泳げないが、
思いきって水に頭をつけると泳げるようになるように、
怖がらない習慣が身につくと、
実際に怖がらないですむようになるのです。
不安定を怖がらないことが
不安定から逃げることのできる唯一の方法なんです。

でもそのために不安定の中に
自分から首を突っ込んで行くだけの勇気が必要です。
心配ばかりしていてはそのチャンスはありません。
いまのような時代は失業した時がそのチャンスだし、
失業しなくとも自分から職を捨てるのも
一つのチャンスです。
私と一緒に中国視察団に参加した青年の一人は、
世の中の大きな変化を目の当たりに見て、
帰ってきて自分の勤めていて一流会社を
惜気もなく辞めてしまいました。
それこそ新しい人生のはじまるチャンスだと
私は見ています。


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2001年10月8日(月)

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