第578回
サラリーマン根性で創業は無理

私は安定を嫌う性なので、
仕事でも生活でも安定しそうになると、
自らそれを捨てて再び不安定を求めて動きます。
いまは世の中の方が不安定で、
私が求めなくとも目まぐるしく変わりますから、
スリルを味わうことに不自由はしていません。

チャンスを求めて私のところ集まってくる青年たちは、
パイオニア精神のある人たちですから、
冒険心には富んでいますが、
独立をして仕事をやった経験のない人ばかりですから、
サラリーマン根性からはなかなか卒業できないようです。
いざということになると、
自分の収入がいくらになるかこだわります。
一度サラリーマンの経験をすると
脱サラは難しいんですね。

その点、外国に留学したまま現地に居残った人だとか、
自分から求めて上海や北京に行き、
流れ流れて生きている人たちは、
チャンスを重視して、サラリーなんかにこだわりません。
現地採用でもらうサラリーが
日本に比べて少いこともありますが、
サラリーよりもチャンスが人間を大きくしたり、
成功への道をひらいてくれることに気づいているからです。

サラリーマンの集団によってつくられた会社は
組織のトップに任命された人でも
創業時から然るべき報酬をもらっています。
私のような創業に慣れた人間は、
お金も出し、知恵も出し、労力も惜しみませんが、
会社が軌道に乗り、赤字を脱出するまで
一文もサラリーはもらいません。
他に生活の道があるから当り前だと思うかも知れませんが、
それくらいの覚悟がないと
仕事には成功できないものだと考えているからです。
東南アジアやアメリカで成功した華僑の実業家たちは
大抵、そういうやり方をしています。

そういう生粋の創業者から見たら、
日本の企業家はナマっちょろいし、
経営にあたっているサラリーマン社長も
サラリーマン根性から抜けきれているとは言えません。
あれで外国へ出て行って
国際競争に打ち勝って行けるとしたら、
技術か資本でよほど優位に立っているからでしょう。
そういうやり方がいつまでも続くと思ったら
間違いでしょう。


←前回記事へ

2001年10月9日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ