第579回
創業者になりたい人、手をあげて下さい

私が株式投資に首を突っ込んだ昭和30年代の半ばは
日本経済が大きな転換をする時でした。
池田勇人首相が「所得倍増論」をひっさげて
華々しく登場した時でもありましたが、
なぜ所得倍増が目標になったかというと、
それまでヤミ屋さんが幅をきかせた時代だったのが、
工業化によって付加価値の創造が
軌道に乗り始めたからです。

既に上場していた企業は
毎年のように増資をくりかえす時期に来ていたし、
店頭市場に新しく顔を出したニューフェイスは
食い盛りの子供たちのように
年々成長をする時期にさしかかっていました。
パイオニアは牧師あがりの社長さんが
スピーカーをつくる小さな工場だったし、
日本ハムは徳島県の吉野川のほとりにある
徳島ハムという小さな肉屋さんでした。
また、オンワードは
大阪にある樫山という既製服の仕立屋さんでした。

日本経済が農業社会から工業化社会に移ったおかげで
古い会社はスケールが
一まわりも二まわりも大きくなったし、
新興産業は町工場から日本を代表する大企業に
成長しはじめました。
ちょうどその転換期にあたったので、
新しく創業する人たちに
企業を大きくするチャンスが生まれたのです。
ダイエーやイトーヨーカ堂やジャスコにとっても
千載一偶のチャンスだったのです。

あれから40年あまりたって、
いま日本の産業界に再び大転換期が来ています。
鉄鋼や電機や建設のオールド・エコノミーは
もとよりのこと、
流通業や銀行保険などのサービス業にまで
一巻の終わりが来ています。
こういう時は、新旧の入れ替わる時期です。
古い企業にしがみついていると、
一緒になって沈没してしまいますが、
それでこの世の終わりが来るわけではありません。
必ず次の時代を背負う産業が現れます。
新しい産業は
新しいチャンピオンによって推進されますから、
創業者になりたい人にとっては
またとないいい時期なんです。
創業者になりたい人はどうか手をあげて下さい。
喜んでお手伝いします。


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2001年10月10日(水)

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