第589回
日本はアジアの蚊帳の外という場面も

中国とアメリカは台湾問題をめぐって
事毎に対立しています。
中国はもし台湾の政府が独立を宣言したら、
武力解放も辞さないと明言していますが、
アメリカも
もし台湾の住民の意志に反して、中国が武力に訴えたら、
台湾関係法に基づいて台湾を護ると反論しています。
しかし、その一方で中国と台湾が
同じテーブルについて問題の解決をすることを
すすめています。
またクリントン時代には
「中国が一つであることを認識している」
と言っています。

では中国と台湾が同じテーブルについて、
本気になって統一に合意したら、
アメリカが喜んで同意するかというと、
このへんもまた微妙なところです。
極東におけるアメリカの防禦線に大きな穴があくことは
アメリカにとって困ることだからです。
そこで、口ではうまいことを言って、
心ではとにかく現状維持を続けてくれることを
願っているのでしょう。
アメリカの極東政策は曖昧模糊としたものであり、
それによって平和を保つことができたらいいというのが
本音なんです。

ブッシュ大統領にかわってから、
共存よりライバルと見なす空気が強くなりましたが、
テロ撲滅の過程で、回教圏と微妙な敵対関係が生ずると、
ブッシュも態度を変えざるを得なくなりました。
「前門の狼、後門の虎」というわけには行きませんから、
ブッシュの方から俄かに中国に近づく姿勢を見せています。
それは中国にとっても願ったり叶ったりのことです。
もともと中国人とアメリカ人は「馬が合う」と言うか、
生活の波調が一致しています。
「中国人と日本人」「アメリカ人と日本人」
という結びつきより、
「中国人とアメリカ人」という組み合わせの方が
すっきりしています。

APECで江沢民とブッシュが顔を合わせたら、
両者の距離が一そう縮まることが考えられます。
小泉さんが日帰りでとんで行ったくらいのことでは
間に合いません。
「日本人はアジアの蚊帳の外」という場面も
ないとは言えません。


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2001年10月20日(土)

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