第590回
中国大陸の未来像が見えてきます

日本人にも建て前と本音があるように、
中国人にも建て前と本音があります。
中国人の建て前は「国を愛し、人民に盡す」ことですが、
本音は「お金を儲け、家族のために繁栄をもたらす」
ことでしょう。
身内のために働くことが悪いということはありませんが、
日本人に比べると、
中国人の方が利己主義に徹しているようです。

お役人さんにしても、公けの場所で喋ることと、
家族や親しい友人に向かって言うことは違います。
たとえば政府の発言人としてきつい発言をする人でも、
個人として行動する時はまるで違います。
共産主義を建て前としていたせいもありますが、
中国政府の指導者といわれる人たちは
アメリカに対してかなりきびしい発言をします。
ところが、トップに並ぶ人たちは
ほとんどが自分の子供たちを
アメリカに留学させております。

どうしてそれがわかったかというと、
家内と一緒に中国で高位高官の人と食事を共にする時は、
向こうも奥さんを連れてくるか、
政府内で最も高い地位にある女性の代表を呼んできて、
うちの家内のお相伴をしてくれます。
家内は政治や経済のことよりも、
相手の家族のことに興味をもっていますから、
子供は何人いるか(いまは一人っ子ですが、
昔はそういう制限がありませんでした)
またいま何をしているかを話題にします。
すると、ほとんど一人の例外もなく、
子供はアメリカに留学しているか、
留学から帰ってきて国内で仕事をしています。
建て前はアメリカを批判しているのに、
子供の教育はアメリカに一任しているのです。
次世代も共産体制を維持する積りか、
それともアメリカ流のデモクラシーになると
考えているのか、自ら答が出てきます。
かつて台湾もそいうやり方をしたので、
いまの台湾の政府の重要ポストは
ほとんどアメリカ帰りによって占められています。
中国の将来がどうなるかについても
改めて説明する必要はないようです。


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2001年10月21日(日)

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