第617回
海外進出したら日本人だけで固まるな

中国やアジアの他の地域に進出している日本人の1人1人が
威張った態度をとるとは思いません。
外地手当などもらって
現地人に比べてグーンと待遇がよいので、
余裕のある生活ができていることは確かです。
自分が周囲の人からどう思われているか
気にする日本人のことですから、
部下に対しても分け隔てはないし、
人によっては部下の家の冠婚葬祭に招ばれることも
少なくはありません。
日本人が現地の人々の中に融け込めないというのは
多分、嘘だと思います。

ところが、それが会社単位の評判ということになると、
話は違ってきます。
日本は多民族国家ではありませんから、
チーム・ワークを組む時も
同じ日本人だけでやってきました。
上から下まで同じ肌の色で同じ言葉を喋る人々ですから、
違和感がありません。
ところが、よその国に行くと、
肌の色や言葉が違うだけでなく、
宗教も違えば、風俗習慣も違います。
意志の通じない分だけソリが合わなくなり、
大事なことは任せるわけに行かない
という気持ちになってしまいます。
結果は日本人だけで固まるようになり、
経営に現地人がたずさわることはなくなります。

アメリカやヨーロッパの企業は
日本の現地法人や支店のトップに日本人を使っています。
中国では中国人を使っています。
ところが、日本の企業はどこに行っても
日本人以外がトップを勤めることはありません。
現地人にして見れば、縁があって日本の会社に勤めても、
どうせ社内で出世する見込みがないことが
わかっていますから、
そう長くは勤めておりません。
機会を見て独立するか、
転職することばかり考えるようになってしまいます。

もう1つ、日本語がわかれば現地の会社に比べて
サラリーは3倍になりますが、それからあとが続きません。
たとえば責任のある地位で一生懸命働いてもらうためには
7千元から1万元も出せば喜んでもらえるのに
(1元は15円)日本の企業はそれをケチるんです。


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2001年11月17日(土)

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