第679回
時の流れを見る目が必要です

新しく商売替えをする時とか、
新しい職を見つけようとする場合、
誰でも気にすることは、
「それはちゃんと成り立って行く商売だろうか」、
「ちゃんとサラリーを払ってもらえる会社だろうか」、
ということです。

いまは一流会社でも盛んに人減らしをしている時ですから、
一流会社に就職のできるチャンスは
ほとんどないと言ってよいでしょう。
大きな会社の下請けになって物をおさめる仕事も
先ずはないでしょう。
そういう時でも人を欲しがっている会社があるとすれば、
IT関係の新技術を推進している会社だとか、
不景気の中でも社会的な需要がふえている
きわめて特殊な業種に限られます。
そういう業種が何であるかを見定めて、
そちらへ動けば新しい道がひらける可能性はあります。

たとえば、昭和40年代に私は
美術雑誌を経営したことがあります。
日本人の所得水準が
かなりの勢いで伸びていた時でしたから、
自動車もよく売れたし、
マイホームをつくる人のために
マンションや建売りの業者がブームに沸いていた時でした。
私は絵のブームが来ることを予想して
季刊で美術雑誌を発行しましたが、
次々と誕生する画商がうまく利用できるように
1頁はその画廊が扱っている画家の絵、
隣の頁にはその絵の由来と画廊の住所と電話番号と
ついでにその絵の売値を書き込めるようにしました。
忙しい人たちが展覧会場まで行かなくとも仕事の合間に、
好きな絵を紙上で見られるようにしたのです。

それを見た地方のお医者さんとか絵の好きな社長さんたちが
画廊に次々と電話をするようになったので、
画商の広告だけで美術雑誌が成り立つようになりました。
その頃は画商が時代の流れに乗った成長産業でしたから、
次々と新しい画商が生まれ、
やがで、地方都市にまで波及して行きました。
あれから時代がすっかり変わって、
いまは絵を買う人などほとんどいませんから、
同じ画商が一軒また一軒と姿を消して行きます。
こうした時世の動きに逆らうことはできませんから、
新しく仕事を探す人は
いま日本でどんなことが起ろうとしているか、
正しく認識する必要があります。


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2002年1月18日(金)

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