第708回
海外進出は個人の方が面白いですね

バンコクに5日間滞在していた間に、
1日さいて、アユタヤにある工業団地にある日本企業を
見学に行ってきました。

いま日本企業の海外進出は
大半が中国大陸を目指していますが、
20年前は中国の改革開放政策がまだはじまっておらず、
その一方で台湾や韓国は既に労賃が上がりはじめて、
労働集約的な工業生産に向かなくなっていたので、
日本のメーカーはコストダウンのために
東南アジアの国々に進出しました。

フィリピンもインドネシアもその中に入りますが、
私の知っている限りでは、
タイとマレーシアに重点がおかれました。
マレーシアはマハーテル首相が
「ルック・イースト」をスローガンにして
日本企業の誘致に乗気で、
進出に有利な条件を次々と打ち出しましたので、
松下やスズキをはじめ、
多くの企業が工場の建設に乗り出しました。
またタイもマレーシアに負けずに
あちこちに工業団地をつくったので、
バンコクの飛行場を下りて市内に入る高速道路の両側には
日本企業の大きな広告が負けじと並んでいます。

トヨタ、ホンダをはじめ、
タイで成功している日本のメーカーはたくさんありますが、
4年半前のアジア金融不安の時は、
バーツが1ドル26バーツから
50バーツあまりに目減りしたので
(現在は43、4バーツのところに落着いています)、
日本の本社から円建て、
もしくは、ドル建てで借金をした現地法人は
借金の返済に四苦八苦していました。
最近も、円安で日本向けに製品を輸出している企業は
新しい問題を抱えているし、
中国が新しい競争相手として
大きな比重を占めるようになったので、
賃金の安い分だけ海外なら安心だと
言ってはおられないようです。
海外進出した企業がすべて
コスト安の恩恵を蒙っているわけではないのです。

大企業の海外生産基地よりは、
むしろ個人でタイに乗り込んできて、
日本との国際的格差をうまく捉えた人の方が
仕事としては面白いと思いました。


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2002年2月16日(土)

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