第711回
発展途上国でもデフレ対策は必要です

どこの土地に居てもそうですが、
その土地の事情がよくわかるようになると、
ズバ抜けた新奇の発想ができなくなってしまいます。
前に自分の生まれ故郷では成功できないものだと
書いたことがありますが、
「知りすぎたのねえ」
というのが一番いけないんですね。

それは日本の国にいても、外国に行っても同じことです。
私のタイにいる友人は、日本人だからできた発想で
化粧品メーカーをおこして成功しましたが、
「成功は堕落のはじまり」ですから、
どこかで必ず行き詰まる時が来ます。
そこでもう一度、シロウトの昔にかえって
最初スタートした時のような謙虚な気持ちにならないと
次の展開ができなくなります。

たとえば、タイはまだまだ発展途上国だから、
日本のようなデフレにはならないだろうと考えると
間違ってしまいます。
デフレは日本からはじまりましたが、
やがてアメリカにも伝染するし、
韓国、台湾、香港、シンガポールなどの中進国だけでなく、
きっと中国大陸や東南アジアの国々にも波及して行きます。
デフレの国々は不景気になって通貨が安くなりますが、
物価が安くなった分だけ、商売も難しくなって、
折角通貨安でトクをする分も
輸出先から値切られて甘い期待が吹っとんでしまいます。
デフレ対策は発展途上国でも
各自がそれぞれに工夫しなければならない大切なことです。

久しぶりに会ったタイ在住の友人は、
私にいわれるまでもなく、
値段が半分以下の安い化粧品を既に売りだしていました。
包装も高価なものに比べて何ら遜色がなく、
ブランドは違いますが、
同じメーカーによってつくられていることが
わかるようになっています。
デフレ時代にはこれ以外に方法はないという対策を
ちゃんとやっていましたから、
これなら次のピンチはちゃんと切り抜けて行けるなあ、
と私も安心しました。
国が違っても同じ波が洗っているのですから、
油断のならないことはみな同じです。
久しぶりに行ったらすっかり客足の遠のいた店と、
いつ行っても混んでいる店の
違いを見ているような感じを受けました。


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2002年2月19日(火)

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