第710回
頭を使えば海外でも成功できます

タイでHANAKOという化粧品メーカーを経営している
私の友人がおります。
ニューヨークでカメラマンをやっていたのですが、
取材のためにタイに入り、
とうとうタイに魅せられて
チェンマイに住むようになりました。

身すぎ世すぎのために最初の頃は
ビルマの国境あたりにとれる宝石を商売にしていましたが、
私と知り合いにになった頃は不動産屋から旅行社まで
色んな仕事に首を突っ込むようになり、
チェンマイの飛行場の売店6つのうち5つまで持つ
羽ぶりのいい実業家になっていました。
チェンマイまで来る日本人は
大抵この人の世話になっていましたが、
私はタイの不動産ブームは
そういつまでも続くものでないと思っていたので、
「チェンマイの王様みたいなことやっていても
 仕方がないですね。
 タイで一勝負したかったら、
 バンコクに出てやってごらんなさい」
とアドバイスしました。

私の一言がよほどこたえたらしく、
本人は間もなく意を決して
チェンマイの事業を全部たたんで、
バンコクに出てシーロム通りの中心部の大きなビルに
オフィスを構えました。
何をやるかまだ考えていなかったのですが、
あれこれ思案した末に
化粧品をやろうということになりました。

先ず新聞に1頁広告をして
化粧品のネーミングを募集したのですが、
タイの若い女の子の間で最も知られている日本名は
漫画に出てくる花子でした。
そこでHANAKOという名に決め、
最初は訪問販売からはじめましたが、
知名度に乏しいので、
デパートも相手にしてくれませんでした。
さんざ思案した末に、タイの王様の姪っ子さんを起用して
テレビ宣伝をしたところ一躍有名になって
爆発的な売れ行きを示すようになりました。

いまではタイのデパートの化粧品売り場では
1位がHANAKO、2位が資生堂、3位がカネボーですから
短い間にタイで最も名の知られた化粧品メーカーに
なったことになります。
セールス・ウーマンも6000名になりましたから、
日本人でも頭を使えば海外で成功できる
いい例と言ってよいでしょう。


←前回記事へ

2002年2月18日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ