第724回
不況の影響は地方の方が深刻です

ここのところ、海外の話ばかり続きましたが、
どうしてかなと考えなおしてみると、
付加価値のある仕事はほとんど海外に逃げ出してしまって
国内はどこも空屋同然になっているからなんですね。

ついこの間も講演をたのまれて
宮崎県の延岡に行きましたが、
宮崎市で飛行機を下りて
また電車に乗りかえなければならないので、
前の晩、久しぶりに宮崎市の大淀川べりにある
宮崎観光ホテルに1泊しました。
このホテルにはじめて泊ったのは40何年も前のことで
当時、観光都市宮崎の開発に熱心だった
岩切章太郎さんに招待されて
宮崎の土を踏んだ時のことでした。

あの頃は日本人の海外旅行が
まだはじまっていませんでしたから、
新婚旅行で唯一エキゾチックな南国の匂いのするところは
宮崎でした。
飛行機の中は新婚さんで溢れ、
その中に紛れて坐っているのは
何とも場違いな感じがしたことを覚えています。

それがいまでは新婚さんはもとよりのこと、
社員旅行も招待旅行も遠い外国に移ってしまい、
国内の観光地はどこもホテルの空室が目立っています。
一時期、地方の観光開発が
ブームになったことがありましたが、
いまは過剰投資の重荷を背負ったまま、
どこの観光地も借金で苦しんでいます。
この時ぞとばかりに安値で肩代わりする
外国資本もあるようですが、
将来といえども採算にのせることは難しいでしょうね。
グローバル化で最も深刻な影響を受けているのは
ほかならぬ地方だからです。

とりわけいま地方にある工場が閉鎖の対象になっています。
海外でつくる工場に比べて
賃金が20倍も30倍もしていたのでは、
労組が自発的に賃下げを申し出ても、
コストの差が大きすぎるからです。
日本国中、サービス業も生産事業も
不況の影響を受けていますが、
ざッと見渡して地方の沈滞ぶりは
東京や大阪よりも遥かに深刻です。
地方の人こそ
他に先んじて海外に出稼ぎに行くべきではないでしょうか。


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2002年3月4日(月)

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