第726回
骨と皮だけになる前に逃げろ

デフレになると、売値も下がりますが、
売れる数量も減ります。
値を下げれば売れるから大丈夫だと思ったら間違いで、
値を下げれば、1個当りの利益も減るし、
その上、思うような数量が売れませんから、
結局、利益は減ってしまうのです。

利益が減れば、出費も減らさざるを得なくなりますから、
不要不急の経費をカットします。
経費の中で一番大きいのは人件費ですから、人を減らすか、
それともサラリーを削るかということになります。
サラリーを削るのは志気に影響しますから、
大抵の会社でも人を減らすことによって
リストラを進めて来ましたが、
それでも間に合わなくなってきたので、
最近では賃金カットも視界の中に入ってきました。

台湾や香港のような利にさといところでは
景気がおちこむとたちまち賃金のカットがはじまり、
働く側もそれを受け入れていますが、
日本では何千人とか、
1万人以上の人員整理をやっています。
何千億円という赤字を計上している大会社が
珍しくありませんが、赤字の内訳を見ていると、
巨額の退職金が計上されているのですね。
終身雇用の時代につくっった規約を
実行しただけのことでしょうが、
こんな規約に今後も縛られるようなら、
正社員を採用する会社がうんと少なくなることは
目に見えています。
デフレの到来と共に、成長時代の日本の雇用制度は
事実上、解体して行くと考えられます。

物が売れなくなると、物の動きも鈍くなります。
すると、物を運ぶ商売も仕事の量が減ります。
当然のことながら、
日本国中の運送業者が不況をかこうことになります。
物を運ぶ商売も業者がいまの半分くらいで間に合うだけの
仕事しかないのです。
では淘汰する側にまわるのと、淘汰される側にまわるのと、
はたしてどちらがトクでしょうか。
弱肉強食というけれど、
食われる前に逃げるという生き方もあります。
いまは骨と皮だけになる前に商売替えをする時代だと
私は考えています。


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2002年3月6日(水)

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