第753回
貨幣制度の仕組みに問題があったのです

日本は戦後ずっと貿易赤字に苦しんできたので
黒字になった経験がありません。
昭和53年に対米貿易がはじめて100億ドルをこえた時、
日本国中が鬼の首でもとったように小踊りをして
喜んだものです。
それが56年には180億ドルに達し、
以後、日本の貿易黒字が完全に定着してしまいました。

本当はここのところで円高を促して
貿易のバランスをとっておれば、
日本の物価もそんなに高くならないですんだし、
多分、資産インフレにもならず、
今日のような苦しみも味わわないですんだのではないかと
思います。
死んだ子供の年を数えるようなことをしても
はじまりませんが、
一ぺん貿易黒字が定着すると、
ドンドン外貨が日本に貯ります。

輸出をして外貨を稼いだ業者は
ドルを銀行に持ち込んで日本円に換えます。
労賃を払うのも、材料費を払うのも、
また利息や配当を払うのも
みな円建てだからです。
銀行はドルを日銀に持ち込むと、円に換えてもらえます。
日銀はドルを準備金にして
円を印刷して発行することができますから、
民間から持ち込まれたドルはアメリカに持って行って
アメリカの国債などを買って利益を稼ぎます。
その一方で円の発行には利息がかかりませんから、
外貨が貯れば貯るほど
収入がふえる仕組みになっているのです。
これでは口で困った困ったと言っても、
心の中ではしめたと思っているのですから、
本気になってバランスの調整をしなかったとしても
不思議ではありません。
日本のバブルの発生した原因は日銀にあり、
それを許したのが政府ですから、
責任を問うとしたら、
当時の日銀総裁と総理大臣ということになります。

おかげで日本国内のお金の流れが一変してしまいました。
洪水のように日銀から各銀行の預金口座に流れ込む資金を
借りてくれる人を探さなければ、
銀行は利払いだけでダムが決潰してしまいます。
床柱を背中にお高くとまっていた銀行が
お金の借り手やーいと
血眼になって走りまわるようになったのです。


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2002年4月2日(火)

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