第825回
百円ショップからとんかつ屋へ鞍替え

自分の人生について私に相談をもちかけた人は、
その後の人生が大きく変わってしまいます。
それがいい事なのかどうかは私にもわかりません。
仕事を変わることになってしまう人が多いし、
仕事を変わらないまでも、
目のつけ所が変わったり、
お金や人とのつきあい方が変わって、
社会的地位やふところ具合が
いままでと違ってしまうからです。

たとえば、私に相談をもちかけたばかりに
台湾の百円ショップに職場を移した青年がおります。
ほかの青年たちは何とかうまくやれてますが、
本人は店長として次々と起る変化に
臨機応変に対応ができず、能力不足が明るみに出て、
総経理(同じ日本人ですが)から
「日本へ帰ったら」と言われてしまいました。

私が同僚の青年たちや
本人の言い分をきいてわかったことは、
人にそれぞれ長所短所があって、
この青年は変化に対応する能力は弱いが、
同じことをやらせるとあきることなく継続することができ、
しかも仕事熱心だから
じっくり工夫もできるらしいことがわかりました。
縁あって一緒になったのだから、
その人の長所を生かすには
能力に合った仕事をやる方がよいと考えた私は、
「君はとんかつを揚げることに興味がありませんか。
 もしあれば、弟子入りをする先も見つけてあげるし、
 一人前になったら、職場も世話してあげます。
 場合によっては店も持たせてあげることも
 できないことではないけれど」
とききました。

本人は大へん喜んで、もうその日のうちに
とんかつ屋に昼食をとりに行きましたし、
翌日には「やらせていただきます」と返事をしてきました。
包丁を持ったことのない青年に
いきなり料理人になれと言うのも唐突な話ですが、
おかげで私が料理屋をやっている友人に頼んで
包丁の使い方から教えてもらうことになり、
3ヶ月もたったら料理雑誌の社長さんに口をきいてもらって
東京の然るべきとんかつ屋で
修行してもらうことになっています。
創意工夫のある人と辛抱強く働く仕事熱心な人とでは
やる仕事が違うのが当然だと私が思っているからです。


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2002年6月13日(木)

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