第833回
人材の生産加工を引き受けます

中国に工場を移す動きが日増しにふえています。
ホンダについで、トヨタも日産も現地生産がはじまると、
タイヤのメーカーも
製品を日本から運搬しているわけには行かなくなります。
横浜ゴムはブリジストンや住友ゴムに先駆けて
大陸に4つ工場をつくると発表していますが、
自動車業界だけでなく、
家電業界にもコンピューター業界にも、
またそれぞれのパーツ・メーカーにも
同じことが起ることは避けられないでしょう。

私の懇意にしている大企業も
上海に生産工場をつくるための申請をして
つい最近、上海市政府から許可をもらいました。
そうなると、
土地の手当てや工場の建設もしなければならないし、
設備や機械の発注もしなければならないし、
派遣する社員も決めなければなりません。
また現地で働く従業員の募集もしなければなりません。

この会社の場合は、香港にあった販売機構も
上海に移動する必要があるので、
香港のスタッフをどれだけ連れて行くかが問題になります。
香港の人がそのまま上海に移って役に立つとは限らないし、
香港の賃金は上海の20倍
あるいはそれ以上もしているので、
そのまま連れて行ったのでは
コストダウンになりませんから、
上海に生産基地を動かす意味がなくなります。

なかでも上海で新しくどういう幹部を集めるかは
頭の痛い課題です。
それでも若い元気なスタッフを上海で新しく募集することは
上海の空気に馴染みのうすい
香港スタッフを連れて行くよりも、
社風を一新する意味でも必要なことです。
私に相談があったので、私はいまから1年がかりで、
上海で必要な人材を訓練することを提言しました。
上海の大学教授たちにツテがあるので、
先ず大学の学生会に行って会社の説明会をひらいて
入社希望者を募ります。
採用した学生の日本語教育と
日本の礼儀作法や風俗習慣については
うちの学校で1年かけて教えます。
そのなかから巡ぐりに
日本の工場に研修に行かせる必要も起ります。
人材の派遣というより人材の加工が
こちらの仕事ということになります。


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2002年6月21日(金)

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