第837回
蜀の都の人は人柄で人を魅きつける

話が前後してしまいましたが、
今度のチベット旅行に参加した人たちは
いずれもそれぞれ期待と不安で胸をふくらませていました。

期待とはいつか一度は行ってみたいと念願していたことが
遂に実現したんだという心の満足です。
不安とはもしかして高山病にかかって
折角、辿りついたラサで
ひどい目にあうんじゃないかという心配です。

ラサへとぶ飛行機は朝の6時57分に成都を発つので、
どうしても前の日に成都入りをしておく必要があります。
私は成都にショッピング・センターを持っているので、
成都に行くのは都合がいいのですが、
はじめて成都入りをした人たちも
とても成都には魅せられたようです。
成都は三国志に出てくる蜀の国のかつての都だし、
杜甫が戦乱を避けてしばらく住んでいた
杜甫草堂の紅く塗った塀の美しさは
いつまでも印象に残る光景の1つだからです。
それにもまして人々の心をなごませてくれるのは、
成都の人たちのおっとりとした人柄でしょう。
中国人と一緒になると、
こちらが思わず身構えたくなるような抜目のなさを
肌で感じますが、
成都の人にはそれがないのです。
私が投資の対象として成都を選んだ理由の1つも
そこにあります。

成都ではイトーヨーカ堂の5階にあるハナマサで
焼き肉の食べ放題をやり、
そのあと大入満員で足の踏み場もないほど賑わっていた
百貨店の中を見学してまわりました。
恐らく中国大陸に進出した日本の流通業者の中で
これ以上に繁盛している業者はほかに1軒もないでしょう。
ヨーカ堂の商売上手もさることながら、
こんな奥地にありながら小平の生まれ故郷として
改革開放の実験台になった実績が
物を言っている面もあると思います。
自由市場もこのあたりからはじまっているし、
また個体戸(脱サラ組)の一番多いところとしても
知られています。

翌日は早朝便に乗るために、
私たちは泊まっていたホリデイ・インで4時前に起き出して、
暗がりの中で朝食をかきこみました。
9時前にはいよいよ待望のチベットに到着です。


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2002年6月25日(火)

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