第854回
デフレで世界の常識が変わります

アメリカ経済が風邪をひいて世界中がの国々に伝染して
あちこちで寝込んでしまうことは
避けられそうもありません。
しかし、同じ寝込むにしても、
病状が比較的重いのと軽くてすむ人の違いはあります。
日本よりも中国の方が軽症ですむことは
充分考えられることです。

先ず中国が今日、アメリカに売り込んでいる商品は
生活必需品のなかでも、値段の安い大衆商品に属します。
生活必需品は高級品や耐久消費財に比べて
買い控えられることがあまりありません。
その上、節約ムードが支配的になると、
高級品や中級品を避けて
1ランクも2ランクも安い方に向いますから、
台湾製や韓国製よりも
むしろ需要がふえることが考えられます。

またウオンも台湾元も他の通貨のあとを追って
分相応にドル安の影響を蒙っていますが
人民元と香港ドルは米ドルにリンクしたままですから、
相対的に有利な立場が貫けます。
むしろ台湾も韓国も工場を中国大陸に移動させて
コストダウンに力を入れるようになるだろうし、
アメリカの市場が心細くなった分だけ
これらの外来資本が
中国市場を狙うようになることも考えられますから、
中国における投資が激減するどころか、
逆にふえることも考えられます。
今年の中国への海外からの投資は
約5百億ドルと見込まれていますが、
もしアメリカの不況の影響を受けずに
予定通りに事が運ぶとすれば、
世界中でも類を見ない高度成長が続くことになります。

実際には中国でも猛烈な価値競争が続きますから、
金儲けは容易なことではありませんが、
生産は増大し、所得がふえることに変わりはありません。
価格はおちても消費がふえますから、
不況感よりも活気の方がずっと目につくでしょう。
デフレの風に吹きまくられる日本よりも、
デフレの震源地になる中国の方が
ずっと活気を帯びるとなれば、
デフレに対する私たちの常識も
変えざるを得なくなるでしょう。
いままでに体験しなかったようなことが
いま世界で起ろうとしているのです。


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2002年7月12日(金)

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