第853回
中国の方が病状は軽くてすむでしょう

ユーロや円やウオンが
米ドルと浮動相場制になっているのに対して
人民元や香港ドルは固定相場制になっています。
人民元は1ドル8.3元、
香港ドルは1ドルに対して7.9ドル、
従って人民元は香港ドル1ドルに対して1.05元というのが
大体の目安です。

浮動制になっていると、
売りと買いの出方次第では毎日の相場が変わります。
高くなったり安くなったりすれば、
そこに投機の余地が生まれます。
そのために実際に貿易尻の決済をするための資金のほかに
投機資金が割り込んでくるようになり、
外貨を必要とする資金の100倍もの投機資金が
為替市場に流入すると言われています。
商品代金や決済資金が思惑によって左右される
相場の影響を大きく受けるのですから、
私たちのように必要な資金を調達する立場の人にとっては
有難迷惑もいいところですね。

その点、人民元や香港ドルのように
米ドルに釘づけされている通貨は、
アメリカに物を売ったり買ったりする
大陸や香港に住んでいる人にとっては
毎日の変動の影響がなくて安心ができます。
その代わり米ドルの高くなる時は
円やウオンに比して不利な競争を強いられますから、
円安が進んだりしますと、苛々してしまいます。
反対に昨今のようにドル安が進んでも、
ドルにリンクしていますから、
アメリカに物を売る場合も
そんなに不利なハンディを背負うことにはなりません。
このままアメリカの不況が進んでも、
中国から売り込む値段は同じですみますから、
日本のように受注が減る上に
円になおした受け取り分が減るという
2重の苦しみは味わわないですみます。

それでもアメリカの不況によって
アメリカからの受注が減少すれば、
中国とて全くその影響を受けないですむということは
ないでしょう。
それでも肺炎になるのか、
それともただの風邪ですむのか、の違いはありますから、
中国の方が病状は軽くてすむことは
先ず間違いないでしょう。


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2002年7月11日(木)

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