第872回
日本のほうれん草も農薬漬けです?

実はいま私は上海にいます。
ついさっきまで中国産のほうれん草が
農薬漬けになっていると言って、
日本から輸入禁止の宣告を受けた
日本人の輸出業者の人たちと一緒でした。
その人たちは800トンの在庫を抱えていましたが、
ほかの業者の分も合わせたら、
何万トンにもなるだろうと言う話でした。
1トン日本の港渡し1600ドルとしても
ザッと何千万ドルがその損害を受けた勘定になります。

ここのところ、専ら中国産の農産物が悪者扱いにされ、
目の敵にされていますが、
農薬を使っているのは日本も同じです。
ほうれん草は
農薬を使わずに栽培されている物はありませんから、
中国産だけが問題になるのはおかしいと思いませんか。
日本産のほうれん草の農薬も
一ぺん調べたらどうでしょうか。

もう1つ、作物によって農薬の許容量が違っています。
2PPMというのもあれば、
0.001PPMというのもあります。
0.01PPMが0.05PPMだったら大へんだと
新聞が騒ぎ立ててますが、
別の作物では
その200倍もの許容量になっているものもあります。
また許容量が日本とよその国では違っているので、
欧米では立派に通用しているのに、
日本では問題になる場合もあります。

そういうことが議論にならずに、
中国憎しが先に立ったような世論がつくり出されると、
被害を受けた農民の利益を守るために、
中国側が報復に出ることも考えられます。
日本の役所は責任が自分たちに及ぶことを怖れるあまりに、
あれも禁止、これも禁止というのが多く、
世界の常識に合わないところがたくさん残っています。
中国側も農薬についての研究がよくできていないので、
いまあわてて俄か勉強をしているところですから、
農薬のコントロールが充分に整うまでに
もう少し時間がかかるでしょう。
中国の農産物を目の敵にするよりも、
この際、農薬に対する普通の認識が必要だし、
そのための委員会を持つ必要もあります。
しかし、実際に先ず起ることは
間違いなく貿易上の報復合戦でしょうね。


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2002年7月30日(火)

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