第887回
デフレを前提に物を考えましょう

あなたはいままでこうだと信じてきたことを
「いや、あれは間違いだった」と
自分で否定してかかることができますか。
長い時間をかけて常識として
頭の中に根をおろした考え方ほど
修正は容易ではありません。

インフレの時代にオトナになり、
事業を興してかなりの成功をおさめた人や
社会的地位を築いた人ほど、
経験が煉瓦のように頭の中に積みあげられておりますから、
自分の考え方を否定することは
自分のよって立つ基盤を否定されたようなものです。

その点、年の若い人はそういう時代を経験していませんし、
そういう基盤の上に財産や地位を築いていませんから、
現状をそのまま受けとめることができます。
不動産はその名の如くなかなか動かないのが当たり前だし、
店前がどこも安売りの商品に溢れている風景は
別に珍しいことでも何でもありません。

不動産を買う人の動機が昔と違うものになっておれば、
新しい動機に合わせた
不動産の商売の仕方を工夫すればよいし、
山のように安売り商品が店先に溢れるようになれば、
そういう中でも売れる商品とは何か、
どんな商品を扱えば儲かるかと考えればよいのです。
なまじ過去の経験で頭の中が汚染されているよりは、
空っぽの方が工夫のスペースが
多く残っているという意味では、
若い人の方が有利な立場におかれていると言って
よいでしょう。

私も年齢的には淘汰される側に属していますが、
偶然にも時の流れを観察することに興味を持ち、
少しズレが生ずると
すぐに修正することに気をつかってきましたので、
土俵に片足は残っている感じです。
いま年寄りたちは
いずれインフレでこの不況を吹きとばす以外に
方法がないと考える立場にいますが、
私はグローバル化とデフレは
次の時代を生きる上で避けられない與件であると
とらえています。
そういう環境の中にあって、
立派に生き立派に事業を営んで行くのでなければ、
新しい時代を生きていることにならないと思っています。


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2002年8月14日(水)

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