第886回
インフレとデフレではこんなに違います

いまは産業界の地図の塗りかわる時期です。
産業界に隆替が起る時はそれを司る人も入れかわります。
その人のおかれた立場によって
退く人と進む人に分かれますが、
年齢ともかかわりがあります。
一般に一つの時代が終わると、
その時代に活躍した人は引退期を迎えます。
一世を風靡したような人でも時代とかみあわなくなると、
何をやってもうまく行かなくなります。
過去において成功した実績を持った人ほど
始末が悪いようです。
自分のあやまちや時代とのズレを
率直に認めることができないからです。

戦後から1989年までの45年間はインフレの時代でした。
物の不足した時代は物をつくれば売れたし、
インフレが続いたので、物が値上がりするのは常識でした。
だから値上がりをする不動産を買えば、
しばらくすると値段があがったし、
不動産は最も安全性の高い、
信頼性のある財産と見なされました。
人々はお金の余裕さえあれば
あまり心配しないで、不動産に投資したし、
またそうした人々を相手の不動産商売は
安全確実な事業として成り立っていました。

またそういう時期は物価は上がる方向にありましたから、
インフレに抵抗して物を安く売れば、お客が集まり、
薄利多売でスーパーや安売り屋さんは
いい業績をあげることができました。
流通革命はインフレ時代の流れに乗った
「時代の寵児」だったと言ってよいと思います。

ところが、生産が消費をオーバーして
デフレの時代に突入すると、
インフレの時代に常識だった考え方が
一転してしまいました。
いままで安売りに馴染まなかった
デパートや専門店やコンビニさえ安売りをするので、
安売りが珍しくなくなって
財務のしっかりしていない企業から倒産がはじまります。
値上がりを期待して買った不動産もうんと安くなって、
しかも買手がつかないので
不動産はもっとも人気のない商売の一つに
転落してしまいました。
逆転の発想が必要になってしまったのです。


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2002年8月13日(火)

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