第890回
デフレを誰が生き残るかは未知数

デフレが当分、居坐わるとすれば、
デフレの中でもちゃんとやって行ける職業や事業を
選ぶ必要があります。

デフレになると、人々は値段の高い物を買わなくなります。
たとえば、高価な美術品や家具や毛皮の類は
売れなくなります。
じゃ安売りをすればよいかというと、
在庫処理や換金の必要に迫られた時は、
そういうやり方もありますが、
いつもそういうやり方をすると信用を失って
同業者や取引先から見離されてしまいます。
商売仲間には内緒で、お金のありそうな特定の顧客を
狙い討ちにするよりほかありません。
店をひらいても閑古鳥の啼く商売ですから、
資産内容の悪い順序に店じまいをすることになり、
店の数は最盛時の三分の一も残っていたらいい方でしょう。

生活して行く上で必要な耐久消費財は
安売りの対象になります。
自動車から家電製品からパソコンに至るまで、
猛烈な値引き競争の渦中におかれます。
日本ではトヨタやホンダが
ビッグ・スリーやヨーロッパ車と
世界市場で対等の競争のできるレベルにいますから、
いまのところ国内市場で優位を保っていますが、
これとても油断はなりません。
いま世界中の有力メーカーが
中国で量産をはじめましたから、
ここでも日本メーカーが優位に立てば
問題は少いでしょうが、
もし低価格で量産のきく大衆車が誕生したら、
オートバイで現に起っていることが
四輪車のマーケットにも起る可能性はあります。

家電製品に至っては、
この10年間に日本の有力メーカーが
東南アジアから中国大陸まで進出しましたが、
自社製品も含めて現地製品がブーメラン現象を起して
日本に逆上陸しています。
そのいずれもがとても太刀討ちのできない低価格ですから、
日本は国内生産を断念するよりほかなく、
国内では輸入商品の
安売り競争ということになってしまいます。
最終的には生き残る企業があることは確かですが、
どれが生き残るかは予断を許しません。
事業主も戦々兢々としていると思えば間違いないでしょう。


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2002年8月17日(土)

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