第892回
小さな商売にもチャンスがあります。

グローバル化によって、
いままで日本国内でつくっていた物を
コストの安い中国や東南アジアに移すことによって、
新規の利益をあげられるようになった例は無数にあります。
大きな商売だけではありません。
小さな商売ですが、二人か三人でやれば
立派に商売として成り立つ仕事です。

たとえば、デパートの一階や専門店で
若い女性の集まるアクセサリーの売り場がありますね。
私の知っている女性的センスを持った男性デザイナーが
さまざまのビーズ製の小物をつくっておさめていました。
手でつくる物ですから、数売れない代わりに、
値段もそう安くはありません。
アルバイトの女性を集めて一つ一つつくっていたのですが、
人の集まりも悪いし、アルバイト代もばかにならないので、
或る時、思い立ってインドネシアのバリ島に
とんで行きました。
ガイドさんをたよりに、
ビーズの手間賃仕事をしてくれる人がいないと
尋ねて歩きましたら、
とうとう日本の5分の1でつくってくれる人を
見つけました。

最初の頃はビーズや糸まで
日本から持ち込んでいたのですが、
そのうちに台湾で仕入れたら
日本の半分ですむことがわかりました。
また手なれないために不合格品もありましたが、
そのうちにその心配もしないですむようになりました。
もともと同業者の目にもとまらない商品だし、
宣伝したら大量に売れる商品でもないので、
安売りの対象にもなりません。
だからおいているお店から値を下げろと
要求されることもありません。
それでもちょっと頭を使って加工する場所を変えただけで
利益が3倍以上になったのですから、
工夫しただけの甲斐があったと言ってよいでしょう。

変化の激しい時代ですから、
大きな仕事をやっている人は
不況のショックをまともに受けてしまいますが、
人の目につかない小さな分野でも
新しい変化は起っているのです。
私がちょっとでも時間があったら、
知らない土地に行って
小さな経験でもしてごらんなさいとすすめるのは、
こういう事例を見ているからです。


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2002年8月19日(月)

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