第918回
銀行をあてにしないことが大切です

ペイオフをやってもやらなくとも、
銀行の預金利息がタダのような安値になることに変わりはありません。
タダのような金利になったら、
貸出金利もタダより少々高い程度になって
銀行が借手を探がしてまわるようになるかと言うと、
日本の銀行は日本の産業界に不信感を持っているし、
特に中小企業は返済能力がないと疑ってかかっていますから、
国内でお金を貸そうという気持を抱いていません。

ではどうするかというと、
タダに近い金利で集めたお金をドルに換えて、
アメリカに持って行って、
アメリカの大会社に貸したり、
アメリカの投信に投機資金の融通をします。
低金利の日本では円を貸しつけても金利になりませんが、
ドルに換えてアメリカで貸付けをすると、
かなりの金利を稼ぐことができます。

しかし、私が見ていると、
アメリカだって絶対安全ということはございません。
日本に比べるとITブームで好況はまだ続いていましたが、
情報化、合理化によって企業の利益はあがっても、
企業から雇用は排除されています。
IT関係のブームが続いてるおかげで
全体として失業はふえないですんでいますが、
一度びIT産業にかげりが見えたらこの矛盾は一挙に表面化します。

そう考えたので、
私は「マネーゲーム敗れたり」という本を3年も前に書き、
アメリカの株には近づかない方がいいと警告しました。
昨年の9・11がきっかけになって
好況のかげにかくれて見えなかった粉飾決算が一つまた一つとあばかれ、
エンロンやワールドコムの経理内容が明るみに出ると、
その度に日本の銀行の不良債権が一行につき何百億円と
新聞に出るようになりました。

商売とは言いながら、
日本の銀行は預金者のお金を預かって
日本の企業には貸すことを拒否して
アメリカでひっかかっているのですから、
日本の景気の恢復が遅れるのもやむを得ませんね。
商売をやる人は銀行をあてにしてはいけない時代になったのです。


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2002年9月14日(土)

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