第919回
やっと終身懲役から開放された定期預金

銀行に預金をしておいても利息はどうせタダ同様だし、
その上、銀行が間違えて貸しつけたお金が回収できなくなると、
こちらが焦げついてしまう心配がありますから、
自分のお金はどうしたらよいか、
よくよく考えなければならない時代になってしまいました。

私は定期預金に年6%の金利がついた時分でも、
他人から預かったお金以外は定期にしたことがありません。
お金はいつ何時必要になるかわからないのに、
定期にしておいたのでは解約しなければならなくなるからです。
ほかの人は「そんなもったいないことを」
とびっくりするかも知れませんが、
私に言わせると、定期は頭を使わない人のやることで、
一ぺん定期をやることになれてしまうと、
ますます頭を使わなくなってしまうおそれがあります。
銀行の窓口は、駅の一時預けと同じように
現金を一時預かってもらうところで、
よけいなお金を家においておくと空巣に狙われる心配があるし、
持って歩くとおとしたり、スリにあったりする心配があるからです。

スイスに行くと、
預かってあげているのだから手数料を払え
と要求する銀行があるそうですが、
日本の銀行はさすがにそこまではやりません。
その代わり預金集めに夢中になっていた頃は、
余分のお金を普通預金においてあると銀行の支店長がすぐにとんできて
「定期にして下さい。私どもの支店の実績になりますので」
と三拝九拝をされました。
ご入用な時はいつでも解約に応じますし、
預金担保で同額までお金を貸しますからとも言われました。

でも一旦、定期にすると銀行が解約を渋りますから、
情にほだされて一年また一年と継続し、
本人が死んで相続税を払う時になってやっと清算する人が多くなります。
私はそれを「定期預金の無期懲役」と笑ったことがありますが、
僅かな金利につかまって
預金を終身徒刑に送り込む必要はなくなってしまいました。
いつでも必要な時には動けるお金になったという意味では
やっと私と横ならびになったところです。


←前回記事へ

2002年9月15日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ