第934回
不動産とは身動きできなくなる財産のこと

高度成長時代には貯金するのはやめて
土地や不動産に一極集中した人が一番金持ちになりました。
土地は値上がりし、その分だけ現金は逆に目減りしたので、
銀行に行ってお金を借りてきて土地を買った人は、
お金の目減り分は他人に任せるのですから
全財産を、土地に一極集中した人よりもっとお金が儲かりました。

私は高度成長の続く限り、
毎年工業生産によって生み出された付加価値が
土地に投ぜられ、また物を買うのに使われるから、
インフレが続き、その分、お金が目減りすることに気がつきました。
そこで、サラリーマンのように収入が少く、
貯蓄に時間のかかる人はある程度、
頭金にするお金ができたら、怖がらずに
お金を借りてマイホームを手に入れることをすすめました。
まだ住宅ローンもできていなかった頃ですから、
会社にそういうシステムのある人は会社から、
また親兄弟のある人は親戚中からでも
借りられるだけのお金を借りて、
ともかく土地だけでも手に入れておくことをすすめたのです。

早くにそれを実行した人ほど
マイホームの夢を実現することができましたが、
それに味を占めて
住宅ローンが容易に借りられるようになってから
マンションを利殖の対象として
住宅ローンを借りるだけ借りた人は、
バブルがはじけて不動産の転落がはじまると、
逃げ損って大へんな目にあってしまいました。

ですから、いくらかお金になると言っても、
欲の皮を突っ張らせるのもほどほどにして、
自分のコントロールのきかないことは
やらないにこしたことはありません。

とりわけ工業的豊作が続いて、
デフレが定着するようになると、
土地神話は少くとも日本のような低成長の国では
完全に崩壊してしまいました。
3分の1だけ不動産で持つと言っても、
よほど考えないとソロバンに乗りません。
不動産とはそこにつかまってしまったら、
身動きができなくなると言う意味です。
またそれだからこそ3分の1ていどに
抑えておきなさいということになったのです。


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2002年9月30日(月)

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