第951回
食品の流通が一番大きく変わります

私は昨年、セーフ・ガードの対象になった
山東省の農業地帯を見てまわりましたが、
それに続いて投資視察団の視察先として山東省を選んだのは、
ホウレン草の農薬問題でてんやわんやの只中でしたが、
農作物がユニクロの扱った衣料品に続いて、
日中間のホットなビジネスになるだろうと考えているからです。

たかが野菜じゃないかと思ってはいけません。
野菜が生活費に占めるパーセンテイジは
大したものではありませんが、いまは大半がナマのまま
スーパーの平台に並べて売られています。
生鮮食品ですから、ナマのまま運べる距離でつくられています。
つまり国内産が大半を占めています。

しかし、冷凍技術が発達したので、
冷凍した物でもほとんど味が変わらなくなってしまいました。
値段に10倍からのひらきがあると、
いまに輸入品が生鮮野菜を圧倒するようになり、
野菜の大半が冷凍ケースで売られる時代が来ます。
ホウレン草や枝豆がそのハシリと言ってよいでしょう。
もうしばらくしたら、台風とか日でりの影響で
野菜の値段が3倍にはねあがるということがなくなり、
日本国内で野菜をつくっても引き合わないようになります。

日本の農民の利益のことを考えたら大へんなことになりますが、
消費者から見れば安い野菜が手に入る方が
いいに決まっていますから、
四の五の言っても最終的には食品は
それをつくるに最も適したアジアのそれぞれの地域でつくり、
そこから輸入する時代になります。
生産地が変われば、流通のルートも変わるし、
それを扱う業者も変わります。
そういう時は選手交替の時ですから、
古い業者にとっては脅威ですが、
新しくはじめる人にとってはチャンスです。
食料品のような古くからある商売でも、
21世紀のやり方に変わろうとしているのです。

私と一緒に青島まで出かけた人たちは
OEMで日本の有名なメーカーの冷凍食品を
つくっている現場を見てなるほどと頷いていました。


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2002年10月17日(木)

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