第954回
女性が一人で安心して食事のできる店

女性が働くのが常識になってしまいましたから、
昼食だけでなく、ついでに夕食も外ですませてしまう人が
多くなってしまいました。
そういう人がデートを楽しむ姿もよく見かけますが、
まさか毎晩デートというわけにも行かないでしょう。
女の人が一人で食事をするところがどうしても必要になります。

そういう女の人が一人で安心して食事ができるテーブルを
用意している食堂も時々、見かけます。
定食屋上がりで、店の数をふやし、
とうとう上場会社の仲間入りをしたのに
大戸屋というのがあります。
私は何でも好奇心を持っていますので、
どうして定食屋が上場会社にまでなったのか、
その秘密を知りたくて、駅前の地下か、
2階にある大戸屋に何回か足を運んだことがあります。

大戸屋が地下室か2階にあるのは、1階では家賃が高すぎて
600円か700円の定食を出したのでは採算に乗らないからです。
安い食事ですから、とてもおいしいというわけには行きませんが、
まあ、毎日食べてもあきない家庭料理の延長線上にあると
考えたら間違いないでしょう。

交通の便利なところにあるせいもあって、
大戸屋は昼も夜も食事時になると行列ができます。
私はその行列に並んだことがありますが、
順番が来てテーブルに案内されると、
二人掛けのテーブルで
女の人が一人で食事をしているのを見かけます。
外は行列をしているのに、女性が一人で食べているテーブルに
ほかの人は坐らせません。
女の人が知らない人にあい席させるのを
店の方が避けているのがわかります。
そのせいでしょう、昼も夜も女の一人客が多く、
これがこの店の売り物になっているのです。
女の人が一人で気がねなく食事ができるというのも、
いまの時代にふさわしいアイデアですね。

一人で安心して食事できるのもアイデアなら、
一人で食事をしたくない人に
食事仲間をつくらせるのもアイデアです。
賛成する人の多いアイデアなら商売になるものです。


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2002年10月20日(日)

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