第967回
おしゃれ嗜好の中年マーケットを狙え

ベニスには世界中から観光客が集まりますから、
観光客を喜ばせることができれば、
お金は落としてくれるでしょう。
ゴンドラに乗るのもその一つだし、
「溜息の橋」を見学するのもその一つでしょう。
飛行場からベニスの町に入るのにも、
また列車に乗るために駅に行くのにも、
水上タクシーとか水上バスのお世話になるのも、
不便な上に高い料金をとられますが、
一回きりだと思えばガマンのできないことではないでしょう。

でもベニスの名物であるムラノのガラス細工とか
工芸品を観光客に買ってもらうのは骨の折れる仕事です。
以前に比べてファッションの店が軒を並べるようになったのも、
現実に教えられた結果と言ってよいでしょう。
ヨーロッパ中の有名ブランドが勢揃いしていますが、
お客の入り方を見ていると、
昔ながらの老舗よりも若者たちにうけのよい
新興ブランドの方がずっと商売になっているようです。

新興勢力と言っても、プラダとかトッズの靴だとか、
ほかに4つ5つ若者たちに人気があるブランドはいいけれど、
少し前まで一世を風靡した
アルマーニやシャネルは顔色なしですね。
まして私が足繋くヨーロッパにかよった頃の
花形だった有名ブランドはエルメス、グッチ、ルイ・ヴィトンなど
十指に充たないブランドを除いて、
店は立派だけど人気離散という感じです。

そうしたなかで、私が気に入って注目しているのは
ロロ・ピアーナというカシミアを主流とした
神経の行き届いたデザインの店です。
いまは若者の店ばかりで40才から上のおしゃれの店がありません。
ピアーナも中年から上ということではないでしょうが、
値段の高さとクラシックと少し違う
よく工夫したカットは結局、
おしゃれにお金を惜しまない中年の財布の紐を
ゆるめさせることになるでしょう。
老齢化の時代ですから、ヤング・マーケットということにばかり
気をとられてはおられない筈です。
銀座にもお店ができたようですから、
これは日本でもこの次の人気ブランドになるでしょうね。


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2002年11月2日(土)

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