第972回
レストラン・チェーンにも頭打ちの徴候

物が売れなくなっても、おなかは三度三度空きますから、
食べ物商売は結構、繁盛しています。
デパートの地下の食品売場と、
上層階のレストランが衣料品売場や家具・食器売場より
ずっと人の入りが多いのを見てもわかる通りです。

これはいま世界的な傾向です。
経済が成長過程にあって、株価があまりアメリカの影響を
受けずにすんでいるロシアや中国では、
社用族向けのレストラン・ブームが起っていますが、
アメリカの景気の落ち込みを
まともにかぶっている日本やヨーロッパの諸国でも、
ハヤるレストランはよくハヤっています。
もちろん、水商売も景気不景気の影響をまともに受けますが、
税金をさし引いた残りの手取収入の中から支払われるお金でも、
物を買う方に向うよりはお腹の中に入れる方に向っています。

ですから新しいビジネスを考える人たちの目は
食べ物商売に注がれています。
わけても日本ではチェーン・レストラン商売が
注目を浴びています。
景気が落ち込んでから以後も、
新しいチェーン・レストランの展開が次々と起り、
短い間に株式の市場まで漕ぎつけています。

前にもふれましたが、これらのチェーン店に共通していることは
値段の安いことと料理の味のまずいことです。
それでもお店がよくハヤっているのは
安いというところに魅かれる人が多いのと、
味のわからない人が味のわかる人よりも
絶対多数を占めているからです。
そういう店を経営して成功しているということは
経営している人が味よりも
経営に熱心な人であるという何よりの証拠です。

それはそれで一つの行き方ですが、
お金儲けにばかり重点をおいたチェーン店が
次々と参入すると、過当競争に入って
業績の延びが頭打ちになってしまいます。
今年の夏以来、その傾向は既にレストラン業界に現われており、
出店数で売上げの落ち込みをカバーしていますが、
かつてスーパーで起ったことが
この業界にも起ろうとしています。
一工夫も二工夫も必要な時期が来ています。


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2002年11月7日(木)

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