第976回
野菜料理はレストラン業の盲点です

フランスの三つ星のレストランが
結構、高い値段でもお客を集めていることは、
デフレの時代でもうまくやれる方法があることを
私たちに教えてくれます。
もちろん、それは一握りの人を相手にした商売でしょうが、
小さな商売は一握りの人を相手にしただけで
間に合ってしまいますから、
そういう商売に徹したやり方を考えればいいわけです。

だだ器皿にこったり、味付けに工夫をこらしただけで
はたしていつまでも続くのか、ちょっと首をかしげたくなります。
野菜の料理でフランス料理になかったような素材と味のつけ方で
三つ星を獲得したアルページというレストランが
ロダン美術館の向いにあります。
前回、予約の手違いで行きそこなったので、
今回、何回もダメを押してから行って見たら、
30人くらいしか入れない小さなお店でした。
すぐに満員になりましたが、
メニューを見て先ずその値段の高さに驚駭しました。
野菜の前菜に、ラピオリの入ったスープに、
オマール海老の茹でた物に、あと1品か、2品に
チーズとトマトのデザートで300ユーロですから、
ワインとサービス料も入れたら、
1人前、軽く5万円をこえてしまいます。
恐らく野菜食べさせて世界一高い値段のお店でしょう。

それでも毎日満員だから、
商売上手と言ってよいことは間違いありませんが、
その理由はと言えば、お金にあかして毎日、
肉や魚でへとへとになっている人の盲点を
ついているからでしょう。
野菜は尊重品と思われておらず、
真剣に料理法も考えられてきませんでしたから、
ここに視点を集中すれば、
新しい道のひらかれる可能性があります。
恐らく材料量の100倍の値段がついた料理もありましたが、
ほうれん草やトマトが2つ、3つ載った皿を前にして
大きく唸らされました。

美容と高齢化と食事療法のために、
日本にも野菜食を見なおす時代が来ています。
日本人や中国人の方が
もっとずっとおいしい野菜料理がつくれる筈です。
誰か意表をつくレストランをひらいてみる人はいませんか。


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2002年11月11日(月)

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