第978回
不足する消費を刺戟しましょう

いま金融当局が銀行に不良債権の切り捨てを迫っているのは、
癌が発生しているから癌の切開手術をして切り捨てろ、
そうしたら健全な身体に戻りますと
指導しているようなものです。
でも関根進さんが「気がつけば、あなたもガン」の中で
力説しておられるように、
医者のすすめるままに切開手術をしても、
ガンがなおるとは限らないし、
後遺症でもっと苦しめられることが考えられます。

私のように、西洋医学と
漢方のハザマのようなところに育った人間から見ると、
最悪の場合は切開手術もやむを得ませんが、
できることなら体質改善で
癌の発生しない環境づくりに精を出します。
日本を10年以上にわたる長期不況におとし入れたのは、
物ができすぎて工業的豊作におちいったせいですから、
不足する消費を刺戟することが何よりも大切です。
物を買ってもらえなくとも、人々がお金を費い、
お金がよく動けばいいのですから、
娯楽でも飲食でも旅行でもかまいません。
また使うお金が個人のお金であっても
会社や政府のお金であってもかまいません。
とにかく消費を優先させれば、設備投資もそれに続きますから、
不良債権を切り捨てるよりはずっと効果があるのです。
さしあたり会社の交際費の枠を拡げて、
お歳暮やお中元にお金を使っても税務署が
経費として認めるということにしたら効果テキメンでしょう。

それを貧乏時代の先入観にとらわれて、
高速道路をつくったり、
橋を架けることにばかり国の予算を使おうとしますから、
天下りのお役人さんを利するだけで、
結果的には大きな赤字を抱え込むことになってしまうのです。

時代はもうとっくに変わってしまいました。
要らない物をつくっても、要らない物を押しつけても、
長続きはしません、
戦争をやれば景気は一ぺんで戻るでしょうが、
そういう使い方はアメリカに任せて、
私たちは自分たちで体験できることにお金を使って
景気を刺戟することにしましょう。
銀行に預けっぱなしにして焦げついてしまうより、
自分でお金を動かし、また自分でお金を使ってみて下さい。


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2002年11月13日(水)

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