第979回
煽れは煽るほどデフレは冷え込みます

いま物価がジリジリと下がって、
デフレが隅々まで浸透しようとしています。
デフレになると、商売がやりにくくなって、
メーカーも流通業者も業績が悪化して倒産する企業がふえます。
だから何とかして物価の下がるのを食い止めて、
人為的にインフレにする方法はないかと
政府が先頭に立って何とか景気づけをしようとしています。
インフレの時代にインフレにブレーキをかけようと
努力したのとちょうど逆の形ですね。

でもデフレにブレーキをかけるのは
インフレにブレーキをかけるよりも
もっとずっと難しいことです。
不足する物を増産するために努力することは
お金の儲かる行為ですから、誰でも一生懸命やります。
反対にできすぎた商品にストップをかける仕事は
損をすることと裏表ですから、ブレーキをかけるのも難しいし、
まして商売ガタキに道を譲ることなんかとてもできません。
その上、グローバル化によって
もっとコストの安いところでつくられた商品が
入ってくるのですから、
損をした上にデフレがとまらなくなってしまいます。
生産を止めても供給が止まらず、
物価が下げ続けるのですから、
ちょっとやそっとの対策でデフレが止まるわけがありません。

企業が赤字になって税収が激減し、
収支が見合わなくなった国家財政が
不足分を補うために公債をふやしたり、
お札を次々と印刷しても、
お札は使われずに退蔵されてしまいます。
お札の洪水にしてもインフレにはならないのですから
始末が悪いのです。

こんなことは実際にデフレになって見るまで
想像もできないことでした。
デフレになっても政府がお札を印刷して
インフレにするから大丈夫だと
私自身、インフレの時代に書いたことがありますが、
それが間違いであることを
いまになって思い知らされているところです。
政治家が寄ってたかっていくら煽っても、
火焔山の火は却って冷え込む一方。
ですから、デフレ対策に方向転換させようとしても
なかなか行かないだろうというのが私の見方です。


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2002年11月14日(木)

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