第993回
流れに合わせて漕ぐことが大切です

たとえば日本が対米貿易でしっかりドルを稼いだ時に
「次に起ることは何ですか」ときかれて、
「太平洋が地中海みたいになって、
ローマがエジプトを攻めるように、
日本のお金がアメリカの西海岸に
上陸するんじゃないですか」と答えて、
自分でもロスやシアトルで不動産投資をやったことがあります。
しかし、「西海岸が第二の満州国になるようなこと」は起らず、
日本軍が中国大陸から駆逐されたように、
日本資本もアメリカから追い落されました。
私もご多分に洩れず、ことしの秋、
ロスに持っている最後のビルを売って
アメリカの拠点を引き払ってしまいました。
アメリカでさんざん授業料を払って私が勉強したことは
「経済先進国での投資は難しい」ということでした。

アメリカが駄目なら、香港はどうだろう。
私が1980年代の後半に香港進出を試みたのは、
香港の将来が有望だと考えたからではありません。
そろそろ中国の経済が軌道に乗りはじめるが、
香港が中国に返還されたなら
香港が中国に併呑されて姿を消すのではなくて
「中国大陸の香港化」がはじまると見たからです。
もしその通りだとしたら、香港からの大量移民によって
香港がさびれると見るのは間違いで
不動産も株も香港で一花咲かせる時が来るだろうと考えました。

はたして中国の改革開放政策を契機にして
香港に東南アジアから資金が集中し、
また大陸の資金が大量に流れ込んだので、
香港の不動産も株も空前の値上がりをして、
私と私と一緒に香港投資に参加した人々は
少しばかりお金も儲けさせていただきました。

でも香港にブームをもたらした大きな変化は
中国大陸に起っているのですから、
次の本命は間違いなく中国大陸に移ります。
その場合も、共産主義下の中国とか、
貧しくてその日の暮らしにも困っている
中国人ばかり頭に浮かべていたら、身動きができなくなるし、
世の中の動きを見間違えてしまいます。
中国がどんな方向に行くのかその流れを見て、
それにうまく合った動きをすることが大切なのです。


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2002年11月28日(木)

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