第1019回
苦しいけれど面白い時代に入ってきました

バブルがはじけてから13年の歳月がたってしまいました。
戦後、不況になっても2年もたてばすぐ景気が恢復したので、
誰ひとり不況がこんなに長く続くと予測した人はいません。
土地や株などの財産を整理して借金を返そうとしなかったのも、
そのうちに景気が恢復して何とかなるだろうと
タカをくくったからでした。

それが恢復するどころか、だんだん落ち込みが激しくなって、
とうとう銀行が持ちこたえられなくなってしまいました。
不良債権の整理をしろと政府から強制されるところですが、
産業界の本体が元へ戻れないのに、
銀行の不良債権を整理しても、
整理したはじからまた新しい不良債権が発生します。
いまのやり方で景気を恢復させることが出来ないのは
誰の目にも明らかです。

私が「君の会社は大丈夫か」と題して、
人手不足から大量失業時代への移り変わりを
実業之日本社から単行本として出版したのは
1993年のことでした。
日本の企業は売上げが10%減っただけで
赤字に転落する構造になっていますから
いまに軒並み赤字になって首切りに走るようになります
と予測しましたが、
あの頃は何を言っているのだろうと
あまりピンと来なかったサラリーマンの人たちも
いまならオレのことかと頷いてくれるでしょう。

また「立て直しの原則」という本を
これまた同じ実業之日本社から出版したのは
1995年でしたが、その中で私は
「リストラは社長の首のすげかえから」
「日本的借金から脱出すべきとき」
「価格破壊でピンチは脱け出せない」
「いよいよ賃下げも射程に入った」と書いています。
自分の月給がカットされるとは
誰も思っても見ない時代のことでした。
が、昨今は他人事でなくなってしまいました。

まさかと思っていたことが
いまは皆一つ一つ思いあたることです。
日本が世界の先頭に立って
人類がかつて体験したことのない
新しい時代に入ろうとしているのです。
苦しいけれどスリルのある面白い時代だと思いませんか。


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2002年12月24日(火)

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