第1037回
お金の集まる所が景気のよくなる所です

お金が動くと、世の中が変わります。
同じことですが、世の中が変わると、
お金の動き方も変わります。
ですから、お金の動き方を見ていると、
世の中がどう変わろうとしているかがわかります。

この10年あまり、世界中のお金が
アメリカの方を向いて動いていました。
その間中、アメリカは好景気に恵まれ、
アメリカ人は我が世の春を謳うことができました。
しかし、この1、2年、お金は方向を変えて
中国大陸に向って大きく動きはじめています。
まだ統計数字が出ていませんが、
恐らく2002年だけで世界中から投資資金として
中国に流入しているお金だけで500億ドルをこえるでしょう。
この数字は年に20%ていどのスピードで
増え続けることが予想されます。

お金はお金の儲けにくいところから
お金の儲けやすいところに流れます。
世界のお金が中国に向って流れるということは、
お金の儲かるチャンスが中国に多いからです。
どうしてチャンスが多いかというと、
賃銀の安いところに生産拠点ができて、
物をつくれば付加価値を生む環境が整ったからです。

昔はそういうところがあっても、
お金は自由に動くことができませんでした。
お金が国の外へ出ようとすると、
国境でさしとめられてしまいました。
だから、景気不景気は国内に限られ、
不景気になっても供給が減ると価格が戻って
景気は間もなく恢復しました。
ところが、国境をこえてお金が動くようなると、
コストの安いところ、安いところへと動きますから、
景気のサイクルが地球的な規模で動くようになり、
物の値段は安い方に皺寄せしますから、
物価は安い方に右へならえすることになってしまいます。

いまは中国がそういう条件を一番よく備えているので、
中国との関係を政策的に遮断しない限り、
デフレの風を止めることができません。
それが止められない限り、世界中がデフレになり、
世界中のお金が中国へ動くのをとめられなくなります。


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2003年1月11日(土)

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