第1050回
創業者は銀行のお金を当てにするな

銀行からお金を借りることは
ほとんど絶望的になってしまいました。
バブルの頃は電話一本で何十億円のお金が借りられた人でも、
1億円のお金を借りることも難しくなりました。

昨年のことですが、
或る新しい会社に出資するために
3億円の融資を或る銀行に申し込んだことがありました。
提携先はいま話題になっているトップ企業で、
銀行はその企業の取引先でもありました。
融資額に見合う不動産の担保もしたし、
資金の使途もはっきりしているし、
もし万一予定通りに利益があがらない場合は
別途に年3000万円の収入があって10年で返済できるからと
周到な条件を揃えて申し込んだのに、
物の見事に断られました。

断りの理由をきくと、10年返済では長すぎる、
10年たっても提携先の会社が
まだ存在しているかどうかわからないということでした。
私と共同出資をすることになっていたその会社は
銀行から300億円借金をしていましたが、
300億円以上の定期預金をしている超優良会社です。
その内容をよく知っている取引銀行が
そんなことを言うのですから、
要するに貸したくないというよりは
貸すだけのお金の余裕がないということでしょう。

事の意外さに私も驚きましたが、
ちょうどその頃、上海B株が大暴騰をしたので
株を売ったら必要なお金は何とか間に合いました。
しかし、中小企業では揃えたくても
滅多にそろえられない条件を全部揃えても
お金を貸してもらえなかったのですから、
ほかの人がどんな目にあわされているのか、
大よその見当がつきます。
私はいまも銀行からお金を借りていますし、
毎月、元利合計をきちんと払っていますが、
銀行の支店長さんとはもう何年もあったことがありません。
銀行はいまもお金を預けに行くところですが、
お金を借りに行くところでなくなってしまったからです。
お金を貸してもらえない以上、
新しく事業をやる人は銀行をあてにしないやり方を
考えるよりほかありませんね。


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2003年1月24日(金)

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