第1063回
国税庁の親不孝対策という一幕も

お金持ちが実際に利用して役に立っている節税法でも、
お金持ちにだけ役に立つわけではありません。
中金持ちや小金持ちでも同じことをやれば
同じだけの効果はあがります。

そう考えたので、
「大金持ちにならって借金をして土地をお買いなさい。
そして、相続税の節約をしてください」
と私は私の読者たちに小さな声
(いや、声なき声)ですすめました。
あんまり大きな声ですすめると、
税務署だってスキマ防ぎの方法を
構ずるだろうと思ったからです。

ところが、バブル期に入ると、土地が3倍も5倍も、
なかには10倍にも値上がりするようなことが起ったので、
町角の煙草屋の僅かな土地でも何億円もの相続税を
払わさられる立場になってしまいました。
税金の重みはもはや大金持ちの悩みだけでは
なくなってしまったのです。

過剰流動性の発生でどこの銀行も
お金の借り手を探がすことに血眼になっていました。
信託銀行もその例外ではなく、お金を貸したい一心で、
公認会計士や税理士のセンセイを講師にして
借金をして土地を買っておけば
如何に相続税の軽減になるかという講演会を
派手に開催するようになりました。

小さな声で教えることを
こんなに大っぴらにやったのじゃ
国税庁だって黙ってはいませんよと私は言いましたが、
はたして購入してから3年未満の土地は
路線価格を適用せず、購入価格で評価するという
税金逃がれ対策が打ち出されました。
おかげで被相続人の方が風邪でもひくと、
「おじいさん、まだあと2年生きていてもられないと
困りますよ」と子供たちから大事にされるようになりました。
「親不孝な子供たちを見かねて
国税局が打ち出した親不孝対策ですよ」
と私は冗談半分のの解説をしましたが、
この時を境いとしてバブルがはじけ、
地価は一転して反落するようになったので、
今度は時価より路線価格の方が
高いことを心配しなければならなくなりました。
金持ちにとって、災難は更に輪をかけて
大きくなってしまったのです。


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2003年2月6日(木)

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