第1081回
弱り目に祟り目ということもあります

第一次石油ショックに続いて
第二次石油ショックというのがありました。
この時もOPECの国々が集まってもう一度、
石油の値段を上げようじゃないかと協議しました。
二次の時はバレル当り20ドルをこえましたが、
また同じことがくりかえされたら、
産油国の利己主義で世界中が大混乱におちいってしまいます。

「こんなバカなことがあっていいものだろうか」と
怒りを感じながらも、万一、石油価格が50ドルをこえたら、
エネルギー革命でも起らなければ
世界経済がもたないだろうと思いながら
私は石炭の液化を企業化しているという
オーストラリアのバジニア州まで
石炭液化工場の見学にとんで行きました。
四国ほどの広さのところが
地面からずっと地下まで石炭の層になっていて
大きなパワー・ショベルで露天掘をやっていましたが、
万一火事になったら、
地下まで火の海になって収拾がつかなくなると、
四六時間中、火事の心配ばかりしている珍しいところでした。

日本政府からも補助金がでていて、
液化の設備を稼動させていましたが、
コストがかかりすぎるために石油が50ドルにならないと
採算に乗らないと説明を受けました。
結局、第二次石油ショックは
OPECの思惑通りに運ばなくて不発に終わり、
その頃は北海油田の開発やロシアの油田の開発も加わって
原油の値段の鳴かず飛ばずが続きました。
それがここへ来て、34ドルという高値をつけており、
もしかしたらアメリカの不手際によって
原油の値段が更に新高値を切ることもないとは
言えないところまで来てしまいました。

もし原油が50ドルを超えて新高値をつけることになったら、
それがきっかけになって世界中の物価を
押し上げることが起るかもしれません。
そうなったら小泉内閣が日銀総裁に無理強いをしなくとも
インフレの目標が達せられることになるでしょうが、
これだけ工業的な豊作の続いているときですから、
原油が高くて加工品は安いという
二重苦に見舞われることがないとは限りません。
もしかして弱り目に祟り目ということも考えられます。


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2003年2月24日(月)

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