第1093回
日本的雇用制度は崩壊寸前です

終身雇用制と年功序列給は
日本的経営の根幹をなす雇用制度として、
日本経済が驚くべき成長を続けていた間、
世間からもてはやされてきました。
でも賃銀の高騰と円高によって
工業生産の付加価値が失われるにつれて、
企業はそのどちらをも支えきれなくなって
いまや制度そのものが崩壊に瀕しています。

かつてはそれが従業員の愛社精神をつなぎとめる
接着剤としての役割をはたしてきましたが、
金の切れ目が縁の切れ目で、
年功序列給どころか定期昇給も廃止される方向にあるし、
給料の高い順序に退職してもらいたいばかりに
早期退職者に割増し退職金を
出す会社まであるようになりました。

いまや50代になってなお会社勤めをしている人たちが
入社試験を受けて採用された頃は
少くとも定年までは同じ会社で
出世コースを歩むことを常識としていましたが、
いまのように上層部が思わぬ事故によって
引責辞職や刑事事件に巻き込まれるようになると、
重役になる前に辞める方がましだと思う人はふえるし、
40才以下になるといつ会社を辞めてもいい
という気持になってしまいます。
フレッシュマンに至っては、
そもそも一流企業に就職しようという意欲もなく、
折角、就職してもすぐ平気で辞めてしまいます。
新卒の就職がかつてないほど難しくなったこともありますが、
最初から入社試験とは無縁で、メシを食うためなら、
フリーターで間に合うじゃないかと考える若者も
たくさんいます。

戦後の日本経済の繁栄を支えてきた日本的雇用制度は
ほぼ終わりに近づいたと言ってもよいでしょう。
しかし、それでもさして緊張感がないのは、
社会的な生産性が不況の中でも人々の生活を
支えて行ける水準にあるからです。
たとえ銀行が潰れても、失業率が10%をこえるようになっても
このことは大きな変化はありません。
失業保険の支給が途絶えてしまっても、
浮浪者の仲間入りをすれば餓死する心配がないのです。
日本もずいぶん豊かな国になったものですね。


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2003年3月8日(土)

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