第1094回
能力本位の給与体系に変わります

定期昇給も年功序列給もなくなってしまったとしたら、
一体、サラリーはどんな形できまることになるのでしょうか。
いま中年以上の人が再就職をする場合でも、
その人の過去の経歴や年齢はあまり考慮されません。
むしろ高い給料をもらっていたことが
再就職の邪魔になることが考えられます。

ヨーロッパの方が日本より一足先に不景気になりましたから、
ヨーロッパでどうなっているかが参考になると思います。
フランスやイタリアのホテルやレストランに行くと、
年寄りのホテルマンやウエイターが働いています。
日本なら年寄りの方が高給取りですから、
年寄りをそんなところに配置することはできません。
ヨーロッパでそれができたのは年齢と無関係に、
それぞれの職場のどのポジションは
サラリーはいくらということがきまっていて、
働く方も働かせる方もそれを何の抵抗もなく
受け入れているからだと思います。

それぞれの仕事がもたらす利益はほぼきまっていますから、
それをそれぞれのポジションにふりわけると、
支払える金額もおのずから決ってしまいます。
経験や年齢と関係なくその職場で働けば
それに見合った報酬しか得られません。
つまりサラリーはそのポジションに見合ったものですから、
高い給料にありつきたかったら、
もっと上のポジションに就くよりほかありません。
その代わり年齢が若くても、能力を認められれば、
多額の収入にありつけますから、
若い人にやる気を起させることになり、
これまでより実力本位の雇用システムに変わることになります。

若い人にとっては願ってもないことですが、
若い人も時間がたてば必らず年をとりますから、
年をとった時のことも考慮に入れた
人生設計をする必要が起ります。
ただ全体としてそういう体系に変われば、
企業の採算がとりやすくなりますから、
日本もヨーロッパの後を追うところに落着くことは
先ず間違いないでしょう。


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2003年3月9日(日)

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