第1135回
二流化粧品メーカーの出番です

私の経験によりますと、
国民の平均所得が米ドルで1500ドルを超えるようになると、
主義とか思想の話をする人がいなくなります。
台湾がそうでしたし、
中国でも北京、上海、広州などの沿海地域は
とっくの昔に1500ドルをこえてしまったので、
共産主義のお膝元である北京においてさえ
眞顔になって共産主義の話をする人に出会ったことがありません。

主義主張の話をする代わりに
お金のことがみんなの最大の関心事になります。
かつては為前走(前に進もう)と呼んでいたのが、
いつの間にか為銭走(金のために奔走しよう)に
スリ代わってしまったのです。
中国に行くと、右を向いても左を向いてもお金の話ばかりで、
私など影がうすくなってしまいます。

所得水準の上がり方から見る限り、
中国は消費経済に入ったのです。
日本に比べるとまだ20分の1くらいしか収入がありませんが、
十年前に比べるとうんと暮らし向きが楽になりました。
上海の銀座通りにあたる淮海中路を歩いている若い男女の服装は
東京に比べて少しも見劣りをしません。
マイカー・ブームはまだこれからですが、
ファッションとか美容とかはもう既に時代の波に乗っています。
私の友人で十年前に私のアドバイスを受け入れて
上海に若い女性の着る婦人服の店をひらいた人は
300店舗を持つ全国的なチェーンになり、
この1、2年は見違えるように売り上げを伸ばしています。

それに続いて道がひらけようとしているのは
当然のことながら化粧品です。
そうした潜在需要を見込んで、
いまアメリカやヨーロッパや日本の有名ブランドも
上海や北京に進出中です。
開放政策以前の中国では
お化粧のためにお金を使う余裕がありませんでしたから、
高級イメージの化粧品は一切ありません。
そこへいきなり世界の有名ブランドでは
格差がありすぎてうまくスキマが埋まりません。
このスキマを狙って
新しい化粧品メーカーが誕生するチャンスが出てきたのです。
二流三流の化粧品メーカーの出番だと思いませんか。


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2003年4月19日(土)

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