第1134回
一杯のコーヒーも国際ビジネスです

山東省で蔬菜の契約栽培をやっている会社を訪れた時、
そこの工場に若い日本人が十人くらい働いているのを見て
びっくりしたことがありました。
「日本でやとってきたのですか」ときいたら、
「いいえ、自分たちから訪れてきて、
ここで働かせてくれませんかと言って
働いている人がほとんどです」と
社長さんからきかされたことがあります。
いくら意気地なしが多いと言っても、
日本人の若者の中には
普通のサラリーマンになることにあきたらず、
夢を求めて広い大陸をさまよい歩く人もないわけではないのです。

いまはグローバル化がすすんで日本人の行動半径も拡がったし、
不況で日本国内で情熱を燃やす仕事も
少なくなっている時ですから、ひとつ昆明まで行って
世界的なコーヒーのブランドを開発したいと考える人が
いるのではないでしょうか。
何もないところから集めるのですから、
コーヒーの木の栽培からやる分野もあれば、
コーヒー豆の選別加工をする分野もあれば、
販売や貿易の仕事もあるでしょう。
またコーヒー豆の仕事からは脱線してしまいますが、
日本のコーヒーのチェーン店が
中国のあちこちでチェーンを展開することも考えられます。

ざっと考えると、雲南でコーヒー豆をつくって日本に輸出する。
輸入する側が不安がらないですむ
グレードの高いブランドを確立するまで頑張る。
そのうちに中国にも一大コーヒー・ブームが起るから、
国内需要だけでも応じきれなくなる。
しかし、コーヒーの飲み方やコーヒー店の経営では
日本の方が先輩だから、
コーヒー店のつくり方では日本人が教えにくることもあれば、
日本資本が進出してくることもある。
どちらにしても、最初から国内だけの小さな仕事ではなくて、
たった一杯のコーヒーでも
多国籍にまたがって長短相補う形でなければ、
商売としては魅力のあるものにはならないのです。
「一杯のコーヒーから」と言うけれど、
夢もいくらでも大きく膨れ上がるものなのです。


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2003年4月18日(金)

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