第1170回
国家予算はふえても減らないものです

私は税金を払うのはそんなに嫌がっていません。
道も歩かせてもらっていますし、
治安を維持するのにお金がかかることも
承知しているからです。
でもあんまり高い税金は納得できませんね。

いまの予算のシステムだと
税金はどうしても高くなってしまいます。
先ず国の予算は一度決まってしまうと、
ふえることはあっても減ることはありません。
自分の部署の予算をふやせる役人は
腕のいい人と言われるし、
前年比、予算を減らされる役人は
無能な人と役所内で思われています。
第二に予算はその期に
使ってしまわなければなりませんから、
お役人さんに節約の観念はありません。
うっかり使い切らないと、
次の期は予算を減らされてしまいますから、
無駄だろうと何だろうと、とにかく使ってしまうことです。
年度末が近づくと道路工事で道も通れないくらい
ごったかえしているのを見てもわかります。
第三に好況時にふえた予算を不況になって
税収が減ったからと言って減らすことができません。
お役所はふところ具合によって
収入と支出の調節をする機能を持っていないのです。
そればかりでなく、不況になれば
不況対策として逆に支出がふえるので、
その度に政府の借金がふえます。

こんな調子で借金がドンドンふえて行ったら
大へんなことになります。
だからどこの国でも「大きい政府」よりも
「小さな政府」にしようと看板だけはあがっていますが、
一度ふやした「使えるお金」を
自ら進んで返上しようというけなげな人がどこにいるでしょうか。
予算を節約して期末にうまく使い残しが出たら、
そのうちいくらかのお金はボーナスとして分配します
という制度でもできない限り、
国家予算に歯止めがかかることは先ずないでしょう。

とすれば、いくら緊縮予算を叫んでも
予算は年々ふえるし、国の借金もふえます。
それに比例して税金もふえることはあっても、
減ることを期待することはできません。
納税者はこうした矛盾や欠陥を承知した上で、
自衛策を考えるよりほかにないと思います。


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2003年5月24日(土)

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